「タイヤが〜」
とよくコメントをしている選手がいます。オートレースでは路面と接地しているのはタイヤとスリッパだけです。
競走車の性能をフルに引き出す為にタイヤのセレクトは非常に重要になってきます。
ではタイヤはどうやって使うのか?
ということを今回は書いて行きます。
まず初めにタイヤの未使用状態(サラ)の状態です。
タイヤをリムにはめ込んだ状態というのがこのイボ付きの「サラタイヤ」と言われる状態です。この状態でレースに行くことはまずありません。
「タイヤの当たりつけ」と呼ばれるタイヤの慣らし走行をしてからレース本番に備えます。
この「当たりつけ」ですが、どんなことをするかというと
走路の外周を競走車を寝かせながら周回したり、レース同様コースの黒潮を走行したり、誰かに合わせに行ったりしてタイヤの状態を見ます。
この「当たりつけ」でタイヤが「ハネる」「滑る」「くいつく」と言ったタイヤの感触を確かめます。
「ハネる」はいわゆる「ドドド」と言われるもので練習からこの「ドドド」が来ているタイヤではもちろんレースで1着を狙うのは難しいです。また「滑る」タイヤでは同じレースの人に迷惑をかけてしまうかもしれません。「くいつく」タイヤならレースに言ってもタイムが出たり、人を抜いて行くことができるでしょう。
この選別作業が以外と時間がかかるもので練習時間の間にこの作業を行わなければいけません。
また、練習ではなんともないタイヤでもレースになると「ハネる」「滑る」と言ったことがあるもの事実です。
「しっかり練習せい!!」
と檄を飛ばさせそうですが、レースは自分以外の7人が相手です。練習では多くても1対2くらいのシチュエーションです。レースと練習の差はどうしてもあるようにぼくは思います。
そして当たりつけ後のタイヤは
大体こんな感じになります。晴れ用と雨用とで当たりが違うのですが、上は晴れ用、下は雨用です。
雨用の方が慣らし走行が少なくタイヤの溝も多く残した状態です。
また、晴れ用のタイヤが使用していて低くなるとタイヤを半田ごてで掘ります。下の三角形の部分の上と下の部分を掘ります。タイヤを掘ることでまたレースで使用します。
上記がタイヤを掘ったあとの状態です。このタイヤを掘ったあとはタイヤのゴム自体が減る為一度「ドドド」をチェックする選手が多いように感じます。実際にぼくもタイヤを掘ったあとに滑る。なんてことは頻繁にあります。
オートレースのタイヤを間近で見る機会はあまりないと思いますのでこれを機会にタイヤも注目してください。